整体師への道(2)

少し間が空きましたが、3月31日のブログ「整体師への道(1)」の続きとなります。

前回は、久保田理事長の下で整体を本格的に習い始めようと決心する経緯を書きました。当時、当協会(一般社団法人 整体施術師協会)はまだ設立されていなく前身である身体調整学院への入学でした。

 

学院に通う前、金院長からは久保田理事長はとても厳しいとの話しを聞かされました。行ってからビックリすることがないようにとの思いからでしょうか、こういう事があった、ああいう事があったと事細かに話しをします。

私はそんな事よりも、ITの仕事をセーブして整体の仕事に少し専念できるように、お店「らく~。」の客数の伸びと貯蓄額を見ながら計画を立てておくことの方が重要です。金院長が言うには一人前になるには3~5年ぐらいかかるとのこと。ちょうどITの仕事は一つの現場に区切りがついていたので、すぐに次の仕事を探さずに腰を据えて整体の修行をすることに決めました。学院には週2~3回(1回は半日程度)通うようにしてあとは「らくぅ~。」で金院長のサポートをしながら整体の勉強を始めました。

 

私が学院に通い始めた時、今も協会の整体道場で練習し合っているI氏が少し前のタイミングで入学、それともう一人の女性の生徒さんがいました。長いことお付き合いができるI氏と出会えていっしょに学べたことは幸運でした。

まず、教科書は学院作成の「基礎編」と「上級編」の2冊、その他に市販の経絡・経穴に関する本と人体解剖学図の本を渡されました。市販の本で勉強する時間は特に設けないので、自分で目を通しておくようにとのこと。最初に最低限必要となる整体で使用する手の各部分の用語を説明するとすぐに実践的な授業が始まりました。ちなみに親指は母指(ぼし)と言いますが、ここでは親指という一般的な用語を使用します。

 

初めに、強揉みをしても指を痛めない方法からです。座って自分の太ももに手を置き親指を押しながら回していきます。その時、親指に体重を掛けて親指の関節は固定して肩から腕全体を動かすようにします。肩全体を動かすことで肩の動きから連動して手、親指が動いて揉むイメージとなります。

私の手は大きくなく指は細くて決してこの職業、整体向きではありません。ITの仕事ではキーボードを叩いているだけです。しかし子供の頃は器用貧乏と言われたこともあり、普通より器用な方なのですぐに要領を掴むことができました。一方、I氏はタクシー運転手でハンドルを軽く握っているだけにも関わらず、骨太でがっしりした手で指の太さは私の2倍近くはありそうです。久保田理事長がお客さんだったI氏の手を見て整体を習ってみないかと声を掛けたのも頷けます。しかし「神は二物を与えず」との言葉があるように手先はあまり器用な方ではないようです。どうしても親指の関節が動いてしまいます。それを見て久保田理事長が注意して見本を見せます。I氏が繰り返し練習しますが直りません。その遣り取りを何度か繰り返していくうちに久保田理事長がヒートアップして「指をこねくり回すな!」と強い口調となっていきます。最後には「家で練習しろ!」との言葉。

 

どうやら久保田理事長は少し短気なようです。良く言えば熱血漢でしょうか。子供の頃のスポーツ漫画の指導者像を思い出させます。漫画の世界では、そうした指導が実り最後は勝利を掴むといったストーリーが定番です。金院長の「久保田先生の下で1年間修業すれば、みんな上手くなる」との言葉を思い出し、私も何とか1年である程度のレベルに達することが出来るよう努力するのみと思いました。

 

基本の身体の並び替え、触診、推拿(すいな)を教わった後は必ずしも教科書の順番通りに教える訳ではありません。少しでも早くお客さんを施術できるように、うつ伏せでの下肢・足底部施術、仰向けでの下肢・上腕施術を優先して学びます。というのもお客さんの多くは首・肩・背中・腰といったところのコリが辛くて来店されます。そのため、その部分は理事長がしっかり施術するようにして、最初のうつ伏せでの下肢・足底部施術、最後の仰向けでの下肢・上腕施術を生徒に任せます。できるだけお客さんに触れる機会を設けて早く一人前の整体師としてやっていけるようにとの思いからです。

生徒同士での練習、理事長を練習台にしての施術を通して理事長が「これならお客さんを触らせることができる」と判断をすると、お客さんに対してうつ伏せでの下肢・足底部と仰向けでの下肢・上腕部分を施術させてもらえます。まさにOJT(On The Job Training)でとても実践的です。

 

何事も習い始めというのは楽しいものです。私も久しぶりに新しい事に挑戦する高揚感を味わいながら新宿の学院に通い始めたのでした。

 

 

整体 らくぅ〜。

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